蘭奢待
蘭奢待
- 『蘭奢待(らんじゃたい)』は、日本一の名香と言われています。
- これは沈香というもので、もとは東南アジアに生息する沈丁花科の植物です。この木は風雨や病気・害虫などによって自分の木部を侵されたとき、その防御策として内部に樹脂(樹木の脂)を分泌、蓄積します。この樹脂が香りのもとになります。これを乾燥させ、木部を切り取ったものが沈香です。
- 蘭奢待はこのような沈香の中でも極めて大きなもので、奈良市の正倉院におさめられています。
- いつ日本に伝来したのかはっきりしませんが、これまでに足利義満、織田信長など時代の権力者によって50回ほど切り取られていて、明治時代でも天皇の命令により一部が切り取られています。
- 切り取られた木片は細かく切り分けられ、さらにいろいろな人に下げ渡され、千利休も織田信長から、ひとかけら貰っています。現在、正倉院以外にある蘭奢待の断片で由緒がはっきりしているのは、名古屋の徳川美術館所蔵のものなどがあります。
- 今でも最上級の香りが立つそうです。
- 昔は黄熟香とされてましたが、現在は伽羅に分類されます。